効率よい暗記のしかた

(* 教室だより9月号からの抜粋)

 

「スペリングコンテスト」― 略してスペコン。

単語を100語ほど覚え、長期休み明けの始業式などでテストする、というもの。

 

私が中学生のときもあったのですが、どうやら今の中学校にもあるようです。

私のときは合格点に達するまで放課後何度も追試、みたいなこともやっていました。

幸い、英語は得意だったので、追試になったことはありませんでしたが…

 

このテスト、英語にまだまだ慣れていない中学生にとって、100語を覚えるというのは結構大変。

見たことのない単語も混ざっているようで、1年生にとっては特に重たい夏休み課題になっていました。

 

さて、学生であるうちは、「暗記」は切っても切り離すことができません。

北大レベルの大学を受験するならば、中学で学ぶ単語以外にさらに3,000語ほど単語を覚える必要があり、効率よく暗記する方法を見つけていかなければ、時間がいくらあっても足りない、ということになってしまいます。

 

よくある方法として、「新出単語を10回書く」というものがありますが、私はあまりオススメしません。

というのは、単語をただの文字列として覚えてしまうと、定着率が極端に悪くなるからです。

たとえば次の単語、10回書いて覚えられるでしょうか。

 

supercalifragilisticexpialidocious

 

これはディズニー映画中で歌われる曲のタイトルです。

(スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス、聞いたことがある方も多いのでは)

 

れっきとした1つの単語なのですが、これをただのアルファベットの羅列として覚えるのは至難の技です。

なので、たとえば、

 

super / cali / fragili / stic / ex / piali / docious

 

このように、パーツに分けるなどして覚えやすいようにしていきます。

このとき、分け方に決まりなどはなく、あくまでも自分が覚えやすい方法であればいいのです。

そして、

 

スーパー / カリ / フラジリ / スティック / エクス / ピアリ / ドーシャス

 

というように、声に出しながら書くなど、使える五感をフル活用することで、定着率はさらに高まります。

 

先ほどの10回書きですが、中学生レベルの単語であれば、1,2回目は1文字ずつ答えを見ながら書いたとしても、5回もすれば、答えを見なくてもスラスラ書けるようになります。

 

しかし、問題はその後。

定着した6回目以降は、何も考えずに文字列を書いているので、書くだけ無駄な時間となっていることが多いです。

これが10回程度ならまだしも、「書けば書くほど覚えられる」と思い込んでしまっていると、それだけ無駄な時間が増えるということになります。

私は「覚えるまで書く」のではなく、「10回以内に覚える」と制限をつけた方が、かえって効率よく暗記が進むと考え、中学1年生にはそのように指導しました。

 

テストも100語一気にやるよりは、10語ずつ程度でこまめに行います。

100語を一気に覚えようとすると苦行ですが、「レベル1・最初の10語」を書けたら「レベル2・次の10語」などと、半分ゲーム感覚で取り組む方が、楽しく効率よく覚えることができます。

 

 

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2016年9月16日 | カテゴリー : 学習コラム | 投稿者 : 鈴木 純一