(* 教室だより8月号からの抜粋)
ここ数か月の傾向として、「個別指導塾に通わせているんだけど、成績が上がらなくて…」と、当教室に問い合わせをいただく方が、かなり多く見られるようになりました。
私自身、学習塾で学んだ・教えた経験がまったくないので、他の学習塾がどのように運営しているのかがよくわからないのですが、小学生の早いうちから塾に通わせている方にとっては、塾に通わせても成績が伸びないのは、とても悩ましいことですね…
「1か月で20点アップさせる」と言っている当教室ですが、何も特別な指導法を行っているわけではありません。
ひとりで取り組める教材を渡して、とにかく自分の力で大量の問題を解いてもらい、できる問題を地道に増やしているだけなのです。
どんな勉強法であれ、自分の力で解ける問題が多くなれば、その分だけ点数は必ず上がります。
最近の教室での生徒さんのようすを見てよく感じるのが、「テストの点数(成績)=学習に対する自分の本気度」ではないかということ。
どんなに英語・数学が苦手でも、当教室でがむしゃらにやり続けた人は、必ず20点以上アップさせています。
一方、少しでも「これだけやればいいかな」「ちょっと面倒になってきた」という気持ちがあると、その気持ちの分だけ成績急上昇にブレーキをかけてしまうのです。
「恒常性(こうじょうせい、ホメオスタシス)」ということばをご存知でしょうか。
高校の生物で学習する用語なのですが、かんたんに言うと、からだがさまざまな環境の変化に対応しながら、体温などからだの状態を一定に保とうとする機能のことです。
からだの状態、とはいいますが、実際は「心」、つまり思考や感情にも同じことがいえます。
たとえば、ピアノの発表会でステージに立つと緊張してしまう、といった場合。
大勢の人の前に立つ、という非日常の場面に遭遇してしまうと、普段のように落ち着いていられず心がストレスを感じ、ドキドキしたり汗をかいたりすることがありますね。
さらにいうと、これは勉強でも同じ。
ほとんどの生徒さんにとって、勉強はできればしたくないもの。つまり、「勉強しない自分」=「平常の自分」=「落ち着いている状態」といえます。
その状態から「たくさん勉強して成績急上昇」を目指すのですから、先ほどの「これだけやればいいかな」「ちょっと面倒になってきた」という気持ちの反動は当然起こるもの。
これは甘えや怠けなどではなく、急激に変わろうとする自分に対して、心が平常を取り戻そうと反応している証拠なのです。
私もそうですが、ゲームが好きな人は遊びすぎても「これだけやればいいかな」とはあまり思わないはず。それは、ゲームをしたいと思うのが平常の自分だからです。
短期間で成績をアップさせるにあたって、この気持ちこそがおそらく最大の敵となるでしょう。
勉強していて「はぁ~、やりたくなくなってきたなぁ」という気持ちが出てきたときは、少し冷静にかまえて、「あっ、心が反応しているんだな」と、変化を楽しんでみましょう。
さて、これだけではただの精神論なので、ここからは対処法について。
答えはかんたんで、ズバリ「気持ちが揺れるときほど、勉強するしかない環境に自分をおく」のが正解。
教室に来てしまえば勉強以外にすることがなくなります。さらに、自分以外にも集中して学習している生徒さんがいるので、いやでも静かに勉強するしかなくなるのです。
ある程度学習が進んでくると、自分で解ける問題が増え、自信がついてきたり、テストなどの結果に表れてきたりするようになります。
そうなると、勉強に対する平常心も自然と変わってきて、「勉強しない自分」から「勉強もそんなに嫌じゃない自分」に変わってきます。
勉強を何とかしたい、今までの自分を変えたい、短期間でぐんと成績を上げたいと思う生徒さんは、とにかく早く教室に来ること。そして、できるだけ長時間教室で学習を進めることがカギですよ。
変化を、楽しみましょう!
余談。誰しも1度は耳にしたことがあるはず。
(テスト直前、勉強が苦手なAさんが、賢そうなBさんと話していて)
A「はぁ、昨日全然勉強できなかった。ねぇ、Bちゃんは?」
B「いやいや、私も全然してないよ~」
…といって、結局Bさんが毎度のように高得点をとってしまう、よくある話。
AさんとBさんの「全然してない」の感覚がまったく違う、ということなのですが、もしこういう場面を目にしても、Bさんを責めることなく、「恒常性が違うんだなぁ」とだけ考えて、この話は終わりにしましょうね。
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