【成長のタネ】「当塾初の北大合格!」…割り算につまずいて入塾した当時小学生/北大現役合格のBKさん

 

今回ご紹介するのは,大学受験を終えて退塾したばかりのBKさん。

 

初めて会ったのは小学5年生のとき。それから約8年。先日,北海道大学経済学部に現役合格との嬉しいご報告をいただきました!

 

勉強苦手な生徒さんが集まる当塾。8年目にして初の北大生誕生です。

 

今回は,割り算の筆算につまずいて入塾した小学5年生が,北大に合格するまでの8年間を,私自身の記憶をたどりながら振り返ってみたいと思います。

 

 

 

 

1. BKさんの成長のタネ(取り組み):小学5年…塾に通うのが楽しくて仕方がない時期

 

算数の進度 到達時期
小3相当 小五・6月(入塾時)
小4相当 小五・7月
小5相当 小五・9月
小6相当 小五・12月

・入塾:小五の6月

 

入塾当時,すでに他の習い事にも複数通っていたBKさん。当塾には曜日を決めて通い始めました。

 

入塾(小五の6月)から12月までの学習時間は,月平均で25時間程度。およそ週3日,1日約2時間といったペースでした。

 

この頃の学習記録を振り返ると「勉強が進むのが楽しい」「習い事がある日も塾に行きたくて仕方がない」などの言葉が並び,わかることが嬉しい・塾通いを楽しんでいた様子を思い出します。

 

欲張りにも算数・国語・英語・パズル問題集の4種類同時並行でしたが,小三相当から始めた算数は,入塾4か月後の10月には学校の進度に追いついています。

 

 

2. 小学6年…初めてのスランプ

 

算数・数学の進度 到達時期
小6相当 小五・12月
(小学校の総復習) (小六・8月)
中1相当 小六・12月

 

そんなBKさんに最初のスランプが訪れたのは,入塾して半年余り経った小五の冬。

 

小五の1月~小六の12月までの学習時間は,月平均で15時間程度。およそ週2,3日,1日約1.5時間のペース。入塾当初に比べると一気にペースが落ちてしまいます。

 

学校よりも先の進度に入ったことによって時間がかかるようになり,以前よりも進みにくい進度にモチベーションが落ち込んだ時期でした。宿題をやってこない日も目立つように。

 

算数の小6内容を終えるのに8か月。小5内容を3か月で終えたのと比べ,倍以上の期間を費やしています。学習記録には「再テスト」「要復習」などの言葉が並び,不用意なミスも目立っていたことがわかります。

 

BKさん自身もこの頃の定着が良くないことは自覚していたようで,中学内容に入る前に復習をしたいと自ら申し出るようになります。実際に中学内容の先取りを始めたのは小六の12月。思ったよりも遅いスタートとなりました。

 

 

3. 中学1,2年…ストレスの多い中学生活,理想と現実のギャップに悩む時期

中学生になり,野球部に入部したBKさん。中学校生活でやりたいことが多くなりすぎて,勉強にかける時間がどんどん少なくなっていきます。

 

体調も崩しがちになり,理想と現実のギャップに悩む日々。数学・英語の進度は小学校までに作った「貯金」があったものの,余裕と言えるような進度ではありませんでした。

 

この頃の学習時間は,定期テスト対策期間は月40~50時間,それ以外は月20~25時間程度。中学生にしてはあまりにも少ない学習量で,やる気もペースも日によって,教科によって大きな波がありました。それは定期テストの結果にも表れています。

 

国語 社会 数学 理科 英語 5科合計
中一・1学期 80 94 98 90 97 459 (345)
中一・学年末  66  95 90  70  100 421 (304)

*5科合計の( )は学年平均点

 

中学校3年間で60点台をとったのは,後にも先にもこの時だけ。それまでは平均点に関わらず安定して高得点をとっていましたが,この時はかなりのショックを受けたようでした。

 

 

4. 中学3年…長期の学校閉鎖と変化する生活スタイル

 

長期間の学校閉鎖で生活が一変した中二の終わりから中三の始め。多くの制限をかけざるを得ない状況の中,当塾でも学びを止めまいと試行錯誤していた時期でした。

 

部活動では大会もなくなり強制引退など,悔しい気持ちもあったはず。しかし,時間に余裕ができたことは,BKさんにはプラスに働いた模様。悔しさをバネにするかのように,勉強面ではいろんなことにチャレンジしています。

 

学習記録を振り返ると,数学・英語は早々に中学内容を終えて高1内容の予習,また,自信をなくしていた国語は文章読解演習の猛特訓。約3か月の学校閉鎖期間,自分のやりたい勉強に打ち込んでいる様子でした。

 

学校が再開してからも,英作文練習や古典読解など興味のあることばかりで,普段の定期テスト対策にはあまり時間をかけませんでしたが,それでも5科合計470点の高得点を出しています。

 

国語 社会 数学 理科 英語 5科合計
中三・2学期 90 99 89 96 96 470 (326)

*5科合計の( )は学年平均点

 

そして,いよいよ高校受験。直前の1月道コンでは当日の体調不良もあり合格可能性14%。さすがに危機感があったのか,塾だけで学習時間は月50~60時間程度まで増えるように。

 

最後まで諦めずに頑張った結果,第1志望の札幌西高校に見事合格しました。

 

 

5. 高校3年…北大合格を目指し再度入塾

 

高校入学後も数か月は在籍していましたが,高校生活が充実しすぎてすぐに退塾。

 

元気にしているかなぁと懐かしんでいた頃,BKさんから「もう1度マドルで受験勉強を頑張りたい」との連絡。高校3年の夏のことでした。

 

退塾当時は自分のやりたいこと優先で,勉強そっちのけ。案の定,直近の全国模試は一番下のE判定。

 

特に数学は,基本がかなり抜け落ちている状態。共通テストまで4か月余り,一刻の猶予もありませんでしたが,BKさんも同意の上,ここは思い切って教科書レベルに戻り,基本から確認することに。

 

学習時間 数学の学習内容 備考
高三・9月 38時間 教科書レベルの確認(数I) 怪我のため通塾不可の期間あり
高三・10月 40時間  〃 (数学A・II)
高三・11月  83時間   〃 (数学B)
高三・12月  70時間  共通テスト対策
高三・1月  60時間  共通テスト→北大2次対策
高三・2月  77時間  北大2次対策

 

通塾開始まもなくの9月末,学校行事で足を怪我してしまい,1か月ほど塾での学習がまともにできなくなってしまいます。しかし,それを除くと中学生の頃とは比べ物にならない毎月70~80時間の学習量。BKさんの本気を見た気がしました。

 

表を見ての通り,教科書レベルの土台を定着させるのに3か月。この頃は「こんなに簡単な問題がどうして解けないんだ」と,自分の不甲斐なさを口にすることもしばしば。まるでその悔しさを日々の勉強のバネにするかのように,与えられた大量の基本問題を毎日解いていました。

 

受験対策らしい勉強を始めたのは共通テスト1か月前。12月に入ってからのことでした。

 

過去問もただ時間を計って解くのではなく,時間がかかっても解き方を調べてもいいから自力で答案を作れ,とだけ指示。この頃は毎日大量の質問をされて,塾が終わる夜9時には私もぐったりする日々でした(笑)

 

  • 徹底的な教科書レベル(基礎)の確認 → 過去問を自力で解き切る

 

しかし,根気が必要で時間のかかるこのサイクルの繰り返しが,BKさんの数学の力を一気に底上げする要因になった,と今は確信しています。

 

まともに共通テスト対策をしたのはわずか1か月。決して十分とは言えないまま試験当日を迎えました。ところが,自己採点結果は本人も驚きの900点中744点。(得点率83%)

 

今までの模試の自己最高得点を,本番の試験で100点近くも更新。手応えを掴んだまま,2月の北大2次対策も「自力で答案を作る」という方針を一切変えることなく,北海道大学経済学部に見事合格しました。

 

 

6. これまでを振り返って…BKさんの良かった点

 

こうして一気に振り返ると,最初こそ楽しい塾通いから始まったものの,全体的には理想と現実のギャップに悩むことの多い8年間だったという印象です。

 

BKさんはどんなことにも積極的で,社交的な性格。常にやりたいことをたくさん抱えていました。しかし,それが勉強面では足を引っ張ってしまう場面が多かったように思います。

 

もしかすると,BKさんは他の塾でも,あるいは塾通いをしなくても北大には合格していたかもしれません。ただし,当塾のスタイルとBKさんの考えがぴったりはまった,そして学力が一気に伸びたと感じる瞬間がいくつかありました。

 

 

  • 学校の勉強よりも自分のやりたいことに重点を置いた

 

北海道の公立高校入試は極めて内申点重視。なので,中学生は通常,定期テスト対策を視野に入れながら日常の勉強を進めます。しかし,BKさんは中学生当時から,定期テスト対策よりも高校レベルの数学を学習するときの方が生き生きしていました。当塾は学年にこだわらない数学・英語専門の塾なので,たまたまその興味・関心がうまく引き出せたのかもしれません。

 

 

  • 大学受験では差のつきやすい数学に全力集中。作戦勝ちの北大合格

 

高三・9月の時点で,教科書レベルの問題に戻るという私の提案。プライドは許さなかったかもしれませんが,それでも文句ひとつ言うことなく,短期間で大量の「基本問題」を解きました。ここでも自分のやりたいことをとことんやる性格がプラスに働き,教科書レベルの定着が終わった頃には,数学は得意科目へと自然に変化。北大文系は数学で差がつくことを理解した上での,まさに作戦で勝ちとった合格でした。

 

 

7. 数学苦手を得意に変えて志望校に合格する鉄則

前項でも述べた通り,今回BKさんの北大合格の決め手となったのは,数学で教科書レベルまで戻り,一気に学力を引き上げる作戦が功を奏したこと。

 

思えば,小学5年生で初めて出会ったときも,きっかけは割り算でつまずいたことでした。

 

BKさんと関わった期間のほとんど,時間を費やしたのは,教科書レベルの基本問題をどのように考え,どのように解くか。

 

難しい問題を共に悩んだのは,8年間の中でもほんのわずかの時間でした。

 

普段,多くの中学生や親御さんを見ていると「5教科バランスよく」と考えている方がとても多いように感じます。

 

もちろん,バランスは大切です。ただし「そもそも勉強が苦手」「得意教科などない」という人にバランスと言ったところで,勉強をさらに遠ざけてしまうだけ。なので,私は「これならできそうと思えるものから始めてみましょう」とお伝えしています。

 

当塾では,それは数学。「苦手なところに戻って復習しやすい」「やった分だけ伸びて成長を実感しやすい」から。そして苦手な人が多いので,裏を返せば得意になると他の人との差をつけられる科目です。

 

難しく考える必要はありません。北大生ですら基本的な問題にかなりの時間を使っています。差がつくレベルまで数学の力を底上げした,ただそれだけのことです。

 

当塾を開業して8年。「数学苦手」のきっかけをバネに,徹底した基本の定着で「志望校合格した」「成績が上がった」とお喜びの声をこれまで多数いただきました。

 

数学は,苦手を得意に変えやすい科目。数学を得意にして自信をつけてみたい方,ご質問だけでもかまいません。お問い合わせフォームよりお気軽にお尋ねください。

 

最後になりましたが,高校・大学と2度の大切な受験を小さな当塾に任せてくださったBKさんの親御様に,深く感謝申し上げます。

 

 

 

2024年3月28日 | カテゴリー : 成長のタネ | 投稿者 : 鈴木 純一